テクニカルガイドCDマスター作成ガイド
- マスターについて
- ご入稿可能なマスターについて
- DDPマスターとは?
- CDの種類(フォーマット)と注意事項について
- 「CD-Rマスター」作成規定
- 「DDPマスター」作成規定
- ディスクアットワンスについて
- ディスクアットワンスの確認方法
- オーディオデッキ、パソコンで曲名を表示させるには?
- ディスク名、ファイル名について
- 高品質なメディアがマスターに最適な理由
- 弊社マスターチェックの取り組み
- マスターエラー内容と解決策
マスターについて
CD プレスを行うためには、元となるデータをご用意していただく必要があります。
この元データをマスターと言います。マスターとして使用できるメディアや規格が決まっていますので、下記をご確認いただき完全マスターを作成してください。
「完全マスター」とは、
プレス工場でCDプレス可能なCDマスターのことです
「完全マスター」でなかった場合には、お客様にて修正いただき再入稿をお願いしております。
プレス工場で行うエラーチェックは時間が掛り、その分お客様へのご連絡も遅くなります。
マスターエラーが発見された場合には、納期延長となりますので予めご了承ください。
弊社マスターチェックの取り組みについて
ご入稿可能なマスターについて
CDプレスを行う為に使用出来るマスターは、下記2種類となります。
CD-RマスターDDPマスター
DDPマスターとは?
DDP マスターはCD プレスを行う為に必要な音声、映像またISRC や PQ 情報などの各要素が定義可能なファイルタイプのマスターです。CD プレスでは、下記4つのファイルを必ず含まなければなりません。
①音楽イメージ(.DATファイル)
②DDP識別子(DDPID)
③DDPストリーム記述子(DDPMS)
④サブコード記述子(PQDESCR)
※テキストファイル(CDTEXT.BIN)を生成された場合は、テキストファイル(CDTEXT.BIN)も必ず必要となります。
DDP マスターの作成は、DDP マスター作成に対応しているライティングソフトを使用する必要があります。DDP マスターの作成は専門的な知識が多少必要となりますので、レコーディングスタジオ、オーサリングスタジオでの作成をお勧めします。
CDの種類(フォーマット)と注意事項について
CD-DA (音楽CD) |
最大収録時間 |
74分43秒以内 99曲まで(日本レコード協会規格) ※プレス工場規格では、79分38秒まで再生保証対象内となります。 ※規格外で最大80分16秒まで収録可能ですが、「再生保障対象外」となります。 オーディオデッキ、パソコンで曲名を表示させるには? |
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注意事項 | ※ WAV、AIFF、MP3ファイルそのままCD-Rに書込みされたマスターはCD-DAとして使用出来ません。必ずライティングソフトを使用してCD-DA(音楽CD)にしてください。 | |
CD-ROM (データCD) |
最大収録容量 |
収録容量:640MB以内 ※規格上では640MBとなりますが、最大694MB以下まで記録可能です。 |
注意事項 | Windows、MAC両対応させるにはISO 9660 フォーマットでのデータ作成をお勧めします。 | |
CD-EX (CDエクストラ) |
最大収録時間 最大収録容量 |
640MB以内に音楽データとコンテンツデータが収まるようにしてください。 |
注意事項 | 一枚のCDにCD-DA(音楽CD)とCD-ROM(データCD)を共存させることが可能なフォーマットです。 |
「CD-Rマスター」作成規定
- CD-Rマスター作成には必ず「ライティングソフト」を使用してください。
音楽CD 用のマスターは、iTunes やWindows Media Player を使用し作成されたCD をマスターとして使用出来ます。 - ライティングソフトの書込み設定を「ディスクアットワンス」に設定しください。
- 最大収録時間・最大収録容量に収まるように作成してください。(CDの種類(フォーマット)と注意事項について参照)
- 音楽CD用のマスターは、必ずCD-DA(音楽CD)フォーマットで作成してください。
※WAV、AIFF、MP3等の音楽ファイルをデータCD(CD-ROM)として書込みされた場合、音楽用CDとして仕上がりません。良くある間違いですので、ご注意ください。 - PC用コンテンツの場合には、マスター作成後にウイルスチェックを行ってください。
- マスター作成後に必ず再生確認を行ってください。
![]() CD-Rマスター |
■書込みメディア 容量640MB 又は700MB のCD-R(CD-RW は不可) 書込みエラーを抑える為に、マスターに適したメディアを使用してください。 ■ 書込み方式について CD-Rへ書込む際には、必ず「ディスクアットワンス」で書き込みを行ってください。 ディスクアットワンスとは? ディスクアットワンスの確認方法 |
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「DDPマスター」作成規定
DDP マスターはご入稿方法によって作成規定が異なります。
メディア入稿用
- DDPファイルをメディアに書込む際には、圧縮せずにそのまま書込みを行ってください。
- MACでメディアに書込む際には、Windowsで再生可能なISO9660で書込みを行ってください。
- 必要のないファイルをDDPファイルと一緒に書込まないでください。
Web入稿用
- 必要のないファイルをDDPファイルと一緒にアップロードしないでください。
![]() DDPファイル マスター |
メディア入稿のお客様■書込みメディアCD-R 又はDVD ± R(SL)( シングルレイヤー) 書込みエラーを抑える為に、マスターに適したメディアを使用してください。 ■書込み方法 品番名フォルダに必要なファイルを入れて書込みを行ってください。 ※メディア入稿の場合は、ファイルを圧縮しないでください。 Web 入稿のお客様■入稿ファイル品番名フォルダに必要なファイルのみを入れてZIP 圧縮しないでください。 |
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ディスクアットワンスについて
「ディスクアットワンス」とは、書込み後にデータを追記出来ない書込み方式のことです。
書込み後にデータを追記出来る書込み方式を「トラックアットワンス」といいます。
「トラックアットワンス」で書き込みされたマスターはスタンパー(原盤)作成時「リンクブロック(継ぎ目)」でノイズが発生してしまいますので、マスターとして使用する事はできません。
ディスクアットワンスの確認方法
「ディスクアットワンス」に設定されていないことにより、CDプレスが行えないエラーが大半です。
このエラーは簡単に防ぐことができますので、CD-Rマスター作成後に下記手順に沿って確認してください。
Windowsでの確認方法
CD-Rマスターをドライブに入れ、「コンピューター」より「ドライブ」(ドライブを右クリック)のプロパティを表示してください。プロパティウインド内の空き領域が0バイトになっているかを確認してください。0バイトになっていれば、正しくディスクアットワンスで書き込みされています。

MACでの確認方法
CD-Rマスターをドライブに入れ、デスクトップよりCDアイコンを選択しファインダーより「情報をみる」を選択してください。情報ウインドウ内の空き領域が0KBになっているかを確認してください。0KBになっていれば、正しくディスクアットワンスで書き込みされています。

オーディオデッキ、パソコンで曲名を表示させるには?
オーディオデッキ(CD-TEXT対応機種に限る) で曲名を表示する為には、CD-TEXTフォーマットのマスターを作成する必要があります。
※CD-TEXTは作成ソフトの互換性から原盤(スタンパー)作成時にエラーとなる可能性が高く、現在はCD-TEXTを作成いただきましても工場で削除し作業を進めています。そのためCD-TEXTを必須とされる場合は、事前に削除不可のご連絡をお願いします。
また、パソコンで曲名を表示する為には、CDDB、オンラインデータベースに登録する必要があります。
CD-TEXT作成方法
Windows Media Player オンラインデータベース 登録手順
MAC CDDB登録手順
ディスク名、ファイル名について
使用できる文字:半角の0~9の数字とA~Zのアルファベット大文字、アンダースコア(_)
ディレクトリ階層: 8階層
ファイル名: 半角8文字以内、拡張子3文字以内としてファイル名と拡張子の間をピリオド(.)で区切る。
ディレクトリ名: 半角8文字まで
ボリューム名: 半角11文字まで
高品質なメディアがマスターに最適な理由
マスター用メディアと安価なメディアの検査を弊社内で行った場合に「マスター用メディア」を使用している方がエラーレートが少ないのがわかります。音質を良くする、エラーを抑える為にも高品質メディアのご使用をお勧めいたします。
弊社マスターチェックの取り組み
弊社ではお客様からご支給いただきましたマスターの簡易検査(書込みエラーレート検査)を行っております。
大半のエラーは書込み設定と書込みエラー(C1/C2/CUエラー) によるもので、弊社ではこのエラーを未然に防ぐ為に専用エラーチェックツールにて確認を行っています。このエラーチェックにより構造的なエラー以外の大半を防ぐことが出来ます。但し、弊社で問題ないと判断された場合でもプレス工場での構造的検査/ 製造的検査によりNGと判断される事もあります。この点を十分ご理解の上、「完全マスター」作成をお願い致します。
マスターエラー内容と解決策
CD-Rマスターが再生できないため、マスターとして使用できない。
解決策書込み環境を変えるか、メディアを変えてください。CD-Rマスターがトラックアットワンスで書込まれているため、マスターとして使用できない。
解決策ライティングソフトの書込み設定、又はオプションをご確認いただき、ディスクアットワンス(追記出来ない)設定に変更してください。マスター作成後に「ディスクアットワンスの確認方法」を参照いただき、確認してください。CD-Rマスターのエラーレートが高くマスターとして使用できない。
解決策書込み環境を変えるか、メディアを変えてください。(物理的なエラーですので環境を変えるしかありません。)DDPファイルをMACフォーマットでCD-R or DVD-Rに書込まれたため、マスターとして使用できない。
解決策MACでDDPファイルをメディアに書込む際には、Windowsで読込可能なISO9660フォーマットで書き込みを行ってください。DDPファイルを圧縮してメディアに書込みされた為に、マスターとして使用できない。
解決策プレス工場でファイルを解凍することは出来ませんので、非圧縮のままメディアに書込みを行ってください。CD-Rマスターの1曲目の頭に2秒以上の曲間が設定されておりマスターとして使用できない。
解決策ライティングソフトの曲管設定の1曲目頭の曲間を2秒に設定してください。ISRCに不正な情報が入っているため、マスターとして使用できない。
解決策ISRCの情報を変更できるライティングソフトをご使用の場合には、初期設定に戻し書き込みを行ってください。ISRCには様々な詳細情報を記録できますが、ご理解ない状態で変更された場合には大半エラーとなります。